持分なしへの移行と財産権

持分とは

定款の定めにより認められている次の2つの権利のことを言います。この権利が、持分=財産権です。

①社員が退社したときに、出資額に応じて払戻しを受ける権利(持分払戻請求権)

②医療法人が解散したときに、残余財産の分配を受ける権利(残余財産分配請求権)

解散時に残余財産が国等に帰属してしまうか?

ひとまず「NO」としておきましょう。なぜなら解散時に役員退職金で全財産を抜き出せば良いからです。行政から配当類似行為として指摘を受けたとしても、過料20万円で済んでしまいます。過大退職金として損金不算入部分が出て、申告書で加算したとしても、法人税は発生しないことも多いと思います。所得税では、過大退職金でも、退職所得には変わらず、1/2課税で済みます。

過大退職金を想定した持分なし医療法人への移行リスク

しかし、リスクはないのでしょうか。上記はあくまで現行制度です。今後、持分なし医療法人が解散時に、国に残余財産を提供したくないため、上記の行為をした場合、規制が入ってくることが想定されます。つまりは改正リスクです。

行政から、役員退職金の支給根拠の提示を求められて、合理的な金額しか支給することができなくなる、所得税法上、退職所得課税にメスが入る。このようなリスクを想定した上で、持分=財産権を放棄すべきかを検討する必要があります。

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