薬局と医薬品仕入の消費税区分

ミスの多い薬局での医薬品の消費税区分の解説です。

医薬品仕入の消費税区分

薬局の消費税申告書を見ていると、医薬品仕入を、非課税売上対応課税仕入としている会社をよく見かけます。しかし、本当にそうなのでしょうか?

まずは収入側の確認です。調剤薬局では、クリニックや病院からの処方箋をもとに、薬剤師が薬を調合して、患者に薬を渡します。この薬代は保険が効くため、薬局では「非課税売上」で処理します。次に仕入側の確認です。消費税で個別対応方式を選択した場合、医薬品の仕入はどの用途区分になるのでしょうか?

医薬品仕入は共通対応

次の裁決において、薬局での医薬品仕入は、共通対応であるとの判断が示されています。

・令和元年7月7日裁決

平成18年2月28日裁決

これらの裁決についての解説は、裁決文や他のブログに譲るとして、ここではより切り込んだ実務の解説を展開したいと思います。

薬局に来る大部分の患者は、保険証を提示して、薬を受け取りますが、中には「保険証を持たない外国人旅行客」や「保険証を提示しない日本人患者もいます。薬局では「課税売上」になります。

どの調剤薬局でも、課税売上となるこれらの自費患者に対して、医薬品の販売を行うことは当然想定されます。そして、課税仕入を行う段階では、どの医薬品を自費患者に販売するかは特定できず、すべての医薬品について少ないながらも課税売上が発生する可能性があります

つまり、すべての調剤薬局における医薬品の仕入は、共通対応課税仕入に該当するということです消基通11-2ー20(課税仕入れ等の用途区分の判定時期)において、課税仕入の用途区分は、課税仕入れを行った日の状況により行うとあるため、実際に自費患者に販売したかどうかは関係ありません。

更正の請求は可能か?

では、非課税売上課税仕入として過去に申告してしまっていた場合は、どうすれば良いか?

実務上は、単純な消費税区分の選択誤りとして、更正の請求により還付請求することも可能です。

なお、共通対応課税仕入とした場合、調剤薬局では、課税売上割合が低いですが、ドラッグストアであれば、課税売上割合が高くなるため、仕入税額控除の金額への影響が大きくなります。この論点は、薬局特有の消費税ミス事例として気を付けましょう。

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