医療法人化と節税保険規制

退職所得(優遇税制)の活用

医療法人化をすると、退職所得課税の有効利用のため、内部留保に法人税が課税されないよう、全損や半損の生命保険に加入し、簿外に利益を吐き出します。そして、将来の退職時に、解約返戻率がピークを迎えた生命保険を解約し、役員退職金として支給します。

退職所得の1/2課税を活用した医療法人の典型的な節税スキームです。

しかし、2019年に節税保険に規制をかけるパブリックコメントが公表され、生保各社は販売停止をしています。現在は資産運用を目的とした積立型の生命保険の販売にシフトしてきています。

医療法人化のメリット

今後、生命保険により簿外に利益を吐き出すことができなくなります。つまり、30%の法人税が課税を受けた内部留保から、役員退職金を支給することになります。

こうなると、退職所得が1/2課税として税率が半分になるとしても、法人税30%と合わせると、個人開業医の最高税率と同水準に行きかねません。さらに、給与所得控除も年々縮減されています。退職所得控除はあるものの、この状況で、医療法人化に節税メリットが出せるか疑問が生じるところです。

医療法人化をすべきケース

分院を開設したい場合、医療法人化をする必要があります。個人開業医では分院の開設ができません。また、デイサービス、グループホーム、有料老人ホームなど、開設主体として法人格が要求されている事業は、医療法人化をしないと行うことができません。

したがって、分院や介護事業を行いたい場合には、医療法人化をする必要があります、従来のように節税目的で医療法人化する場合、節税保険はもう使えないため、退職までの長期シミュレーションを実施した上で慎重に判断すべきです。

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