資金繰りのための医療法人化

個人開業医の最高税率は、所得税と住民税を合わせると55%です。所得が1800万円を超えた時点で、50%の税率での課税となります。この課税済み利益から、生活費・借入金の返済原資・設備投資資金を捻出しようとすると、ほとんど手元に資金が残らなくなってしまいます。

税率の観点からは、医療法人化したとしても、毎期、法人税が30%課税されます。解散時には、退職金として抜き出しますが、退職所得課税として、25%(50%×1/2)の税率で課税されたとすると、30%+25%=55%となります。

長期間で考えると、医療法人化したとしても、個人の手元に残る資金は、結局利益の半分程度になってしまいます。このような理由で、医療法人化はもう薦めないという話もセミナーで聞きます。長期のスパンで考えれば、そのような結論に至ります。

しかし、短期の資金繰りの観点からは、現時点で30%程度の法人税課税のみで済むことはメリットです。個人開業医が、利益の50%以上を毎期納税していると、資金繰りの観点から医業経営が厳しくなることがあります。よって、節税のための法人化というより、短期の資金余裕を出すための医療法人化は、メリットがあるものと考えています。

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