出資持分の贈与と評価

出資持分の贈与は可能か?

出資持分あり医療法人は、設立時に理事長や理事が出資を行っています。

この出資持分は、相続税の対象となります。非上場株式の評価と同じように、財産評価基本通達に基づいて評価を行います。

相続税対策として、後継者へ出資持分の生前贈与を行うことも可能です。贈与する場合は、定款で贈与の禁止規定がないことを確認するようにしてください。この生前贈与により持分の所有者が移動したとしても、都道府県への報告は不要です。

注意点として、後継者が持分の贈与を受けても、社員に就任しなければ、社員総会で議決権を行使することができず、退社によって持分相当の純資産の払戻しを受けることもできません。後継者は社員に就任することが必須となります。

出資持分の評価

医療法人は、そもそも配当が禁止されている法人であるため、持分を「配当還元方式で評価することは、出資割合や議決権割合にかかわらず採用できません。すべて原則的評価方式によります。配当ももらえない少数出資者であっても原則評価で高い相続税を支払うということです。医療法人側からすれば、高額な払戻請求に対する対策が必要です。

評価方法は、基本的に株式会社と同じですが、異なる点があります。この異なる点を抑えておけば良いでしょう。

医療法人の出資持分には、何株といったものがなく、出資金額のみしかありません。よって、持分の評価にあたっては、定款に口数の定めがなければ、出資口数は、1口あたり50円で換算(BS出資金額÷50円)をして、総口数(≒発行済株式数)とします。

類似業種比準価額のポイント

医療法人は「小売・サービス業」に該当します。これにより、大会社・中会社・小会社の会社規模区分やLの割合の判定を行います。

医療法人は配当ができないため、比準要素は「利益」と「純資産」の2つのみです。比準割合の分母は3ではなく、2となります。

類似業種の業種目は、「大分類:その他の産業」に該当します。

純資産価額のポイント

基本的に株式会社と同じです。相続税評価額と税務上の帳簿価額を記載します。

株式会社では、同族関係者の議決権割合50%以下であれば、20%評価減できますが、医療法人は各社員の議決権が1個と平等であるため、20%評価減の適用はありません。

個人開業医で営業権の評価をする必要がないのと同様に、医療法人の持分でも営業権の評価は不要です。

社保診療に対応する所得については、事業税は課されませんが、通常の株式会社と同様の税率で、含み益に対する法人税等を控除することができます。