分かりやすい介護事業所向けコロナ対策「かかり増し経費」の解説

かかり増し経費の補助金はいくらもらえる?

今回は、介護サービス事業所・介護施設における感染症対策支援事業の補助金、いわゆる「かかり増し経費の補助金」の解説です。

感染症対策を徹底した上で、サービスを提供するために必要なかかり増し経費が発生した、すべての介護サービス事業所・介護施設が対象です。

補助上限額は、 サービス類型ごとに設定されています。例えば、「通所介護事業所(通常規模型)は1事業所あたり892千円訪問介護事業所は1事業所あたり534千円」「介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)は38千円×定員数です。

どんな経費が補助対象なの?

令和2年4月1日から令和3年3月31日まで支出したかかり増し経費」が対象です。補助対象となる具体的な経費の例示として、次のものが挙げられています。

  • 衛生用品等の感染症対策に要する物品購入
  • 空気清浄機体温測定器
  • 換気のためのエアコン網戸の設置
  • 外部専門家による研修実施費用、研修受講に要する旅費・宿泊費、受講費用等
  • 感染発生時対応、衛生用品保管等に柔軟に使える多機能型簡易居室の設置等(家具、ベッド等の什器整備、電気・管工事等を内装関係を含む)
  • 感染防止を徹底するための面会室の改修
  • 消毒費用、清掃費用
  • 感染防止のための増員のため発生する追加的人件費
  • 感染防止のための増員、応援職員に係る職業紹介手数料
  • 自転車原動機付き自転車自動車の購入またはリース費用
  • 換気エアコンの効かない自動車の買替え
  • 換気のための窓の改修工事転落防止格子・器具の設置
  • オンライン面会等のためのタブレット等のICT機器の購入またはリース費用(通信費用を除く)
  • 職員の感染症対策徹底にかかる業務時間短縮のためのタブレット等のICT機器の購入、介護ロボットの導入費用
  • リモート環境整備のためのパソコン、携帯電話、Wi-Fi設備機器、大型テレビ、DVDレコーダー等
  • 普段と異なる場所でのサービスを実施する際の賃料、物品の使用料
  • 普段と異なる場所でのサービスを実施する際の職員の交通費、利用者の送迎に係る費用
  • 訪問介護員による同行指導への謝金(通所系サービス事業所が訪問サービスを実施する場合)
  • 医療機関や保健所とのクラスター発生時の情報共有のための通信運搬費
  • 新型コロナウイルス感染症対策拡大防止のための経費であり、通常の介護サービスの提供時では想定されないもので、国実施要綱の目的に反しないと都道府県が認める費用

厚生労働省のQ&Aによると、新型コロナ感染症への準備・対応が無ければ、発生しなかった費用が対象となりますが、都道府県の審査基準については次のように記載されています。

Qかかり増し経費とありますが、平時でも使用するもの(衛生用品、タブレット、車等)か、感染症対策のための平時以上のかかり増し経費かどうかを、何をもって判断するのでしょうか。どのようなものが「かかり増し」となるか判断基準を明確に示してください。「かかり増し」であることを事業者が証明する必要がありますか。また県の審査において、かかり増しであることをどのような書類で確認するのでしょうか。

Aどこからどこまでがかかり増しかという判断は技術的に難しいので、感染症対策を行った上で安全に事業を実施するために必要な費用であれば対象として差し支えありません。

要するに、介護事業所において、次の2点が説明可能であれば、柔軟に補助対象として認められるのでしょう。

  1. 感染拡大防止のための費用であること
  2. 追加的にかかった費用であること

どうやって申請するの?

介護事業所から、各都道府県に対して、対象費用の概算額をオンライン申請することになります。ただし、原則申請は1回限りです。都道府県の審査において、一部補助対象と認められない可能性もあるため、対象経費が多くあるなら、補助の上限を超えた経費申請を行った方が安全です。

なお、概算額で申請した場合、後実績報告を求められますので、対象とした経費の請求書や領収書はきっちりと保管しておくようにしましょう。

補助金の交付後の条件

厚生労働省の令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護・福祉分)交付要綱にも同様の記載がありますが、大阪府の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)補助金交付要綱の方が分かりやすいため、こちらで説明します。

かかり増し経費の補助金で取得した単価30万円以上の機械、器具およびその他の財産については、一定期間、介護事業で継続的に利用していくという交付の条件が入っています。

交付要綱5条(5)

補助事業により取得し、または効用の増加した価格が単価30万円以上の機械、器具およびその他の財産(以下「補助事業により取得等した財産」という。)については、知事が定める期間(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令第 14条第1項第 2 号の規定に基づき定められた「補助事業等により取得し、又は効用の増加した財産の処分制限期間」(平成20年厚生労働省告示第384号)による期間をいう。)を経過するまで知事の承認を受けないで、この補助金の交付の目的に反して使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、担保に供し、取り壊し、又は廃棄しないこと。

消費税の仕入税額控除による補助金の返還

また、大阪府新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(介護分)補助金交付要綱において、かかり増し経費の補助金で取得したものについて、消費税申告で仕入税額控除を行った場合には、知事に報告した上で、その仕入税額控除額を返還することになっていますので、ご注意ください。

交付要綱5条(8)

補助事業完了後に、消費税及び地方消費税の申告によりこの補助金に係る消費税及び地方
消費税に係る仕入控除税額が確定した場合は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業
(介護分)補助金に係る消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額報告書(様式第2号)により速やかに知事に報告すること。なお、知事に報告があった結果、補助金に係る仕入控除税額があることが確定した場合には、当該仕入控除税額を大阪府に納付すること。

 

かかり増し経費コロナ補助金の税金【個人介護事業所編】は、こちらをクリック

制度の詳細は、厚生労働省HP各都道府県HPをご覧ください。

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